- 完全なる証明/マーシャ・ガッセン★★★★
世紀の難問ポアンカレ予想を解いたロシアの天才数学者ペレルマンの人物伝。
ポアンカレ予想を解いたことにより、数学者最高の栄誉であるフィールズ賞が授与されることになったにも拘らずそれを辞退し、さらに賞金100万ドルも断り、世界中の大学からの教授職のオファーも断って世間との関係を一切断って隠遁生活を送る奇才ペレルマン。その人物像を幼馴染みや恩師等の関係者に対する
丹念な取材、インタビューで描き出す。
- スティーブ・ジョブス/ウォルター・アイザックソン/講談社+α文庫 ★★★★
アップルの創業者、スティーブ・ジョブスの伝記。本人へのインタビューはもちろん、周囲の人たちや事実関係の調査などを綿密に行いスティーブ・ジョブスの人物像を描き出した作品。かなり客観的な記述ではあるが、行間から滲み出るスティーブ・ジョブスへの愛情はご愛敬といったところか。これほど強烈な個性を持ち、これだけ波乱万丈の人生を歩んだ人間もそういないであろう。
執念で作り上げたマッキントッシュ。しかし、そのためにアップルの経営が傾き、創業者でありながらアップルを追われる。
しかし、ジョブスは負けずにNextを立ち上げコンピューター業界に挑戦していく。最終的には、再びアップルに呼び戻されipod, ipad, iphoneと立て続けにヒットを飛ばし、アップルを飛躍的に成長させてしまう。
葬儀で彼の妹が詠んだ弔辞がすべてを物語る。
人は皆、道の途中で人生を終える。
- ライアーズ・ポーカー/マイケル・ルイス ★★★★
1980年代後半のソロモン・ブラザーズの繁栄と凋落を生々しく描いた作品。それもそのはず、著者自身が新入社員としてソロモン・ブラザーズへ入社してその体験を記したものである、そこには実際に体験したものでしかわからない債権トレーダーの生態が生々しく描かれている。とはいえこれはソロモン・ブラザーズの内情を暴露したドキュメンタリーではなく、債権トレーダーのテクニックを披露したHow toものでもない。
様々なエピソードが散りばめられた債権トレーダーたちの人間ドラマが、英国風ユーモアに包まれ、物語風に生き生きと描かれている。