小説_1


  • バトル・ロワイアル/高見広春 ★★★★

大東亜共和国という架空の国家で、政府が毎年全国中学の50学級を選んで、それぞれ離島に閉じ込め殺し合いをさせるという、近未来というか、平行世界のSF。言わば、日本版「1984」と言ったところか。ストーリーが荒唐無稽であるにも拘わらず、読者を物語の世界に引き込む筆力はさすがである。「1984」はより心理的、精神的恐怖が主体の描写であったが、本作はより即物的である。ストーリー上、殺戮場面が数多く出て来るが、恐らく著者は、殺人事件や戦場の記録を丹念に調べたのであろう。これがやたらとリアルで若干グロさがある。かなりデフォルメされているが、現代の日本社会に対する風刺にもとれる。
「1984」は絶望的な結末だったが、「バトル・ロワイアル」は微かな希望のある終わり方で、そこがせめてもの救いか。

  • アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス ★★★★

白痴の青年が手術によって天才となるが、自分の受けた手術を研究し、自分が元に戻ってしまうことを知る。そして徐々に自分の知力が衰えていくことを感じながらも、必死にその状況に抗い戦う。
”学ぶ”ということがどういうことか、考えさせられる。